青春の孤島にて

同じ距離で輝いて 同じ夢を見て

映画『殿、利息でござる!』


ジャニーズWEST重岡大毅くん出演映画『殿、利息でござる!』を観てきた。
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本当は端役だけれど初の外部出演だし御祝儀的に観ておこうと思って行ったのだが、内容がとても考えさせられるもので、重岡くんの役者としての凄さも垣間見れたとても有意義な2時間だった。

以下ネタバレありなので気をつけてください。


この映画に根っからの悪人は誰1人出てこない。町の役人である肝煎りも、肝煎りたちをまとめる大肝煎りも、主人公・十三郎たちの計画を聞き、怒るどころか感銘を受けて泣く。最終的には町の財政を圧迫させていた藩主・伊達重村までもが十三郎たちの町を救おうとする志に影響を受け、町から城まで徒歩で帰ると言う。

町のための出資に直接的な利益はないが、その代わりに町の景気は良くなり、最終的には回り回って自分の店が潤う。自分だけでなく、他の出資者や町人も。経済のことはよくわからないけれど、きっと景気を良くするには「情けは人の為ならず」という心意気が必要なのだ。自分だけが良くなろうとすれば、一時的には美味しいご飯が食べられるかもしれないけど、最後の最後にその人を待つのはどんな未来か。最近ビビットなどでお熱なあの人だって、これくらいわかっててもいい大人なはずなのに、それでも自分だけが美味しいご飯を食べようとする。残念だけど、自分だけが美味しいご飯を食べようとしている人について行きたいと思うご飯を作っている人はいないと思う*1

しかしこれは経済とか政治だけの話じゃない。金は天下の回りものと言うけれど、回っているのはお金以外にもあるはずだ。一つ思い出した曲がある。HKT48の『Chain of love』*2

一人きりじゃ
生きられない
凸凹の道ばかりだ
そう 夢とは
力合わせ
明日へと運ぶもの

知らぬ間に
今 私も
きっと誰かに
支えられてる
やさしさとは Chain of love

愛の連鎖で世界が良くなるのだったら、世のため他人のために頑張ることが、人としてあるべき姿勢なのかもしれない。出来すぎた話かと思うが、これは実際にあった話なのだ。確かに250年前の吉岡宿では町のために立ち上がった人がその報いを受けた。世のため人のために頑張って悪いことはないのだ。当然だけど案外難しいこのことを改めて実感した映画だった。


重岡くん演じる音右衛門も最初は父である十三郎に反発していたが、萱場の策略によってさらに用意しなければならなくなった800貫文の残り250貫文を自分が奉公に出て賄う。父と直接和解する場面もなく音右衛門は手紙を残して家を出て行く。全くそんなつもりはなかったのに、このシーンで泣いてしまった。穀田屋ではなく父の実家である浅野屋に生まれればよかったと言った音右衛門が、父のために奉公へ出る。重岡くんはこの映画の中で一切表情を変えない。公開されているビジュアルのあの無表情8割・真剣さ2割の顔でしか出てこない。ただその中で「父への反発→手助け」という音右衛門側の流れがちゃんと見えていた。出番は少ないが、結果的に最後の250貫文を用意するというキーパーソンだったし、クレジットはなんと殿役の羽生結弦さんと一緒に出てくる。良い役をもらえて自分のことのように嬉しいし、何よりこんなに凄い奴がジャニーズWESTのメンバーなんだぞと、とても誇らしく思う。普段おちょけている分真剣な重岡くんを見ると、彼を担当としている方の気持ちが少しわかったような気がするし、重岡担でないWESTファンも見て損はない作品だと思っている。

予告の時点でかなり期待値上がったけど、この映画の重岡くんを見て秋公開の『溺れるナイフ』がさらに楽しみになった。重岡くんは将来、一体どんな役者さんになるのだろうか。


*1:まぁこれ自体は悪いことはできないよねっていう単純なお話であるようにも思えるけど

*2:Chain of love - HKT48 - 歌詞 : 歌ネット