青春の孤島にて

この季節 駆け抜けるべき

優しくって少し、

 
突然思い立って久しぶりにジャニーズWESTの写真集を開いてみた。あれから3年もの月日が流れたけれど、写真の中のデビュー1年目の彼らと今の彼らは、驚くほど同じ顔で笑っていた。


一つ白状すると、実は私がデビュー前からWESTの7人を応援していたというのは半分本当で半分嘘だ。
確かにデビュー前から7人のことは知っていたし愛着もあった。でもそれは大きく関西Jr.が好きというだけであって、今でいう担当のような位置にあったのは7WESTの4人だ。上3人のことをちゃんと知ってちゃんと好きになったのはジャニーズWESTとしてデビューしてから。だから私がデビュー前から7人を応援していたというのは半分本当で半分嘘になる。7WESTが好きというのも今からすればかなりふわっとしたものだったので、ここは一律デビュー前から7人が好きでしたと言っているのだけど、本当だけを抽出して言えばこうなる。しかも濵ちゃんのことに限って言えばそれはもう全く知らなかったと言っても過言ではない。

淳太くんと照史くんのことは、関西Jr.を人気と実力で文字通り引っ張るリーダー的存在と認識していたのだが、一方の濵ちゃんのことは、その2人を裏で支える実力者的な人だと思っていた。そのスペックの高さはいろいろなところから聞いていたし、実際外部の舞台に出ていたりしたので、そういう印象が強かったのだと思う。簡単に言えば「濵田くん*1は凄い人」だと思っていた。ソロで関西Jr.の第一線に立てるくらい凄い人。一人で何でも出来る凄い人。濵田くんは凄い人。


ジャニーズWESTが7人で結成されて、ようやく私にも濵田崇裕の全貌がわかった。そして、それがわかった上で私は「濵ちゃんは凄い人」だと言おう。

実際凄い人なのには違いなかった。今だって歌もダンスもアクロバットも演技も贔屓目なしに上手いと思う。しかも濵ちゃんは結構トリッキーな手を使ってくるというか、技巧派なのだ。それが意識的か無意識なのかはわからないけれど、要所要所でテクニカルなパフォーマンスしてくる印象がある(私はここに濵ちゃんの凝り性なところが表れていると思っている)。その引き出しの多さは神ちゃんと共にWESTのパフォーマンスの要だろう。何をやらせても「濵ちゃんやっぱ上手いな」と思わせられる人だと思う。

でもそれは私がちゃんと濵ちゃんを知る前からわかっていたことと大差ない。けれど以前と今では濵ちゃんに対する印象はまるで違う。WESTが結成されてから弟4人を通して見る濵ちゃんは、こう、なんというか、めちゃくちゃにめちゃくちゃな人だった。
言ってしまえば濵ちゃんがこんなにも噛み癖がひどくて時たま何を言っているのか周りも本人もわからなくなったりするような人だとは思ってもみなかったのだ。たぶん結成前にも知る由はあっただろう。しかしどういうわけか私は濵ちゃんのカッコいい部分しか目に入っていなかった。そう、濵ちゃんは"アホの子"という点でも凄い人だったのだ。

少し調べれば"ハマダどないなっとんねんエピソード"など無限に出てくるし、恐らくこれから先もどんどん追加されていくだろう。むしろこんなに豊富なエピソードを持っていながらよくこのアホさに気づかなかったな自分と思う。よくも悪くも、濵ちゃんのデフォはこれだ。

だから6人は濵田崇裕という存在にここまでこだわったんだなと、そういう一面を知って自ずと合点がいった。きっと実力云々より濵ちゃん自身の人柄がジャニーズWESTには必要だったんだなと。今思えば当たり前なのだけど、そういえばそんなことを考えていたりもしたなと例の写真集を読み返していてふと思い出した。


写真集の中で私が一番好きなのは、それぞれの「〇〇が素敵な理由」のインタビューだ。1人1人が1人1人を愛し、尊敬しているのがわかるページで、写真集なのだけど、このテキストが一番好きだ。

特に印象的なのが濵ちゃんのページ。この写真集に限らず6人は常々「濵ちゃんは優しい」と、そんな風に濵ちゃんを評する。主観的だし漠然としてるけれど、でも事実そうなのだからしょうがない。他に言うことがないからそう言っているわけではない。先にも書いたように濵ちゃんはかなりのハイスペックメンだ。だけど、いろんなことが出来る中でもひと際推すべき特長が優しいところだからそう言うのだ。至極当たり前のことだけれども、何を差し置いても「優しい」が最初に出てくる凄さ。優しい人は他にもたくさんいる。6人だってそうだろう。でも差し置く何かを持ちつつ「優しさ」がその人を構成する頂点にある、という人は濵ちゃん以外あまり知らない。アホの子だということも知らなかったくらいだから、濵ちゃんがこんなに優しい人だということも私は知らなかった。


濵ちゃんがジャニーズWESTの中でどういう役割を担っているのか。私は7WESTとB.A.D.の6人が一つになってもまだ足りないもの、空いている隙間を埋めている人だと思う。弟4人にとってはいいお兄ちゃん、ばど2人にとっては精神的支柱。きっと6人では今のWESTはなかったはずだ。濵田崇裕という存在あってこそ、今のジャニーズWESTだろう。

私はBOYSの濵ちゃんを知らないし、濵ちゃんがどういう気持ちで一人闘ってきたのかもわからない。でもどうかジャニーズWESTという箱の中で幸せになってほしい。幸せであってほしい。濵ちゃんを必要としている6人のため、そして濵ちゃん自身のため。一人外に出てメッタメタに打ちのめされたとしても、きっと6人の仲間が笑って濵ちゃんの帰りを待っている。

濵ちゃんはあまり野心を見せない。他のメンバーがあれやりたいこれやりたいとメラメラの闘志を見せる中で、濵ちゃんだけは「みんなと一緒にいること」を最重要視しているように思う。これはデビュー当時から今も変わらない私の濵ちゃんに対する印象だ。それは単なる「ソロでやって来たからこそわかる仲間の大切さ」みたいなものではない気がする。もっと根源的な、何があっても変わらない濵ちゃんの根っこにあるもの。

一人じゃきっと優しくなれない。優しくしてあげる人がいないから。それに濵ちゃんは結構自己否定感が強い。濵ちゃんをどこまでも肯定してあげる人がそばにいないと、きっとつらいと思う。だから、濵ちゃんが優しい人である限り濵ちゃんには仲間という存在が必要なのだ。私は優しい濵ちゃんが大好きだから、今の濵ちゃんがジャニーズWESTという仲間に囲まれた濵ちゃんでよかったと思う。


濵ちゃんの人柄が大好きだ。キメる時はキメるカッコいい濵ちゃんも、優しくって少しじゃ済まないくらいアホな濵ちゃんも。私の中ではいつだって変わらず「濵ちゃんは凄い人」だ。どんなに濵ちゃんが自分自身を卑下しても、私はずっと「濵ちゃんは凄い人」だと叫ぼう。
うちのハマダ、凄いんです。


29歳のお誕生日おめでとう。
これからも6人をよろしくお願いするから、6人によろしくされてね。


*1:当時は「濵ちゃん」なんて気安く呼んでいい人だと思っていなかった証